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第30回 持つべきは聖域なり
虚構であろう世はその妄想の中で存在をつかむにつかみきれない様相である。きりっと立った岸壁のように繋がる関係はそう凛々しいものではない。妄想と現実に迷う凡夫の浮きの世である。その反面、個々として唯一、根拠と誠実として真に向かう領域、「聖域」がある。私達はそれを最も大事にすべき処としたい。表層のリアリティを追うべくしても奥深き真のリアリティに近づく事、その向きを身体に持つべきと思うのだ。問い続ける心体こそが生きる証となりうるであろうと。
2013年11月7日