浄土宗 伝授山 長応院


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第27回  幸せのコツ

「こころで見なくちゃ、本当の事は見えない」(「星の王子さま」文中)とあるように仏教でも感覚器官を統合する「こころ」を養う事が大切だと申しております。自分とは何とも言い難い不確かと確からしさでいるのは誰しもです。自分たらしめる行動や感情や、全て当たり前のようで意味がありません。何故なら、いずれ消滅する身でありながらの行為でしかならず、欲の消費でしかありません。と言っても、これが何ともまとわりつくものです。我欲を消せるか、難しいでしょう。これは常に葛藤です。それでは、そっちの方法でなく、他者に寄り添う気持ちを中心に考えてみて下さい。自然に我欲を忘れていますよ。自分を幸せにする事より他者が幸せになる事を願って生きる事こそが、本当の幸せを覚えるコツなのかも知れません。
他者への信心、それは、法然が他力として阿弥陀仏に帰依する事に仏教の答えを見いだした如くそのものであるでしょう。


2013年2月1日