浄土宗 伝授山 長応院


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第43回 五感不足

最近の社会に大きくかけているのは、五感を開放して満足しているか、という事です。ストレス社会と言われ、本当の自分を忘れ、がむしゃらに働いたはいいけど気がついたらあれ、自分は何をしているのだろう、忘れ物をしているみたいだ、と気づく時がありますね。我々には五感という感覚器官があります。意識をしないと分からないことがありますが、元々自然に作用して満足を得ています。が、頭ばかりを酷使してその実感を感じないで過ごす人も多かろうと思います。
五感。眼、鼻、耳、舌、身であり六感目に意(心)と皆さんも知っている般若心経にも出てきますね。五感の統合が心であるわけです。つまり心で感じ、接することです。心で生きていると言っても過言ではないでしょうし、心で自分が作られているのです。こうした意識する行動と生活が潤いを与え、幸せや自由感を得ることが出来るのです。勿論道理から外れて身勝手ではいけませんよ。
こうした事を実践修行していくのが僧侶であり行く手にはそれらをも越えていく事に注がれますが、それはそれとして、普通でも少しでもそれらに意識を持って生活する事をすすめます。
自然の中で大いにそれら五感を開放してみてください。自ずから頭を使わなくとも生のことわりがわかってくると思います。そうした時に愚痴をこぼしながらとか、嫌なことを思い出さないで、最近あった良かった事、幸せと思ったことを一つ一つ思い出してみましょう。呼吸が整ってくるとなんとも言えない充実感を味わえることでしょう。ぜひ実践してみてください。
ちなみにこれを極め瞑想し自分を超越して悟りに向けていく教えが仏教な訳です。本当の自由と幸福を求道するのです。と言っても生の由来も分からずして愚を覚えても阿弥陀様というバックアップがあるから安心です。大いに五感を開放して楽しい生活を心がけて下さい。


2015年8月22日