浄土宗 伝授山 長応院


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第35回 大丈夫!と言ってくれる人/佛を感じる生活を

日本人は「ほとけさま」をどのように感じ表しているのでしょうか。亡き人に対して使う他にも、この世を超越しているもの、万物を見通しているもの、生命・宇宙をつかさどるもの、草木悉有仏性(そうもくしつうぶっしょう)と言うように全ては悟れる仏性を持っているという感覚がその土台にあると思われます。これは、大乗仏教という衆生救済の仏教観の流れに影響される解釈です。日本仏教は古来の自然信仰がそれと相まって育まれてきました。皆平等に悟れる素質があると言うならば阿弥陀さまの慈悲はことに大きなものと考えられますね。「大丈夫!」と阿弥陀さまがいつも言って下さるその安心感が我々を支えてくれるだと思いますし、窮地には誰とてそう言って欲しい相手が欲しいものです。お念仏を称えるという事は自行ではありません。まさにそのお声に呼応するが如く思わずして称えるものかもしれません。考えてみれば生きる証という事だとも思います。是非、日頃から「ほとけさま」を感じる生活に精進したいものです。年の瀬、忙しさに我を忘れる様な時、無明な我を省みた時、愚かさを感じた時こそお念仏をお称えして下さい。きっと「大丈夫!」とかえってきますから。


2014年11月4日